全国に40社ある第三セクター鉄道が、鉄道ごとのスタンプや手書きなどの「鉄印」をつくり、記帳する事業を始める。寺社でもらえる「御朱印」のように、三セク鉄道を巡り「鉄印」を集めてもらおうという企画だ。新型コロナウイルスで利用者が大幅に減り、経営環境が厳しいなか、観光客や鉄道ファンを呼び込み、地域の活性化につなげる考えだ。
三セク鉄道で作る協議会が23日発表した。7月10日から始める。鉄印帳(税込み2200円)を購入し、各鉄道の指定窓口で、乗車券の提示と記帳料(300円)を払うと、「鉄印」を発行する。鉄印は各社ごとに異なり、くま川鉄道(熊本県)は地元出身の書家がデザインした鉄印、阿佐海岸鉄道(徳島県)は、今年度導入予定の線路と道路を両方走るDMV(デュアル・モード・ビーグル)をデザインした。
鉄印帳は、各鉄道会社の指定窓口のほか、読売旅行、日本旅行の旅行商品として販売し、5千部発行する。40社全てを集めると、希望者に有料で鉄印帳マイスターカードを発行する。
旅行会社も「鉄印帳の旅」を企画した。読売旅行は7月10日から東北地方の三セク鉄道をめぐる2泊3日の旅を販売し、順次全国に広げる。日本旅行は7月下旬、鉄印帳付きの宿泊プランをまずは東北から発売予定だ。(南日慶子)
拡大する三陸鉄道の鉄印を持つ三陸鉄道の中村一郎社長=東京都千代田区
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル